特性要因図とは
特性要因図とは、発生している問題や品質特性に対して、その原因となる要因を体系的に整理するための図です。
考案者である石川馨博士の名前から「石川ダイアグラム」とも呼ばれます。海外ではその見た目から「fish bone」と呼ばれることも多いです。また、問題(結果)と原因の関係を表すことから「Cause & Effect Diagram(因果関係図)」とも呼ばれています。
品質管理の現場では、不良の発生原因や工程トラブルの要因を洗い出す際によく利用されます。

特性要因図を作成する目的
問題が発生したとき、原因を思いつくままに列挙すると整理が難しくなります。
特性要因図を用いることで、
- 問題と原因の関係を見える化できる
- 原因の抜け漏れを防げる
- 関係者で共通認識を持てる
- 改善活動の方向性を決めやすくなる
といった効果が期待できます。
特性要因図の作成手順
手順1 品質特性を決める
まず、分析したい問題や品質特性を明確にします。
例えば、
- 寸法不良が多い
- 傷不良が発生する
- クレーム件数が増加している
などです。
品質特性は図の右端に記入します。
手順2 背骨を書く
左から右へ向かう太い矢印を書きます。
この矢印は「背骨」と呼ばれ、品質特性へつながる主軸となります。
手順3 主要な要因を書き出す
品質特性に影響すると考えられる大きな要因を背骨から枝分かれさせます。
製造業では4Mがよく利用されます。
- Man(人)
- Machine(機械)
- Material(材料)
- Method(方法)
例えば寸法不良を分析する場合、
- 作業者
- 加工機
- 材料
- 作業方法
などが大骨になります。
手順4 要因を細分化する
大骨からさらに原因を掘り下げていきます。
例えば「作業者」であれば、
- 教育不足
- 経験不足
- 作業手順の理解不足
などが考えられます。
このように、
大骨 → 中骨 → 小骨
という形で詳細な要因まで展開していきます。
最終的には、実際に改善行動につながるレベルまで要因を具体化することが重要です。
注意していただきたいのが、特性要因図は「なぜなぜ分析」のための手法であって、改善策を考えるための手法ではないということです。実務でこの勘違いをしている方が多いです。
例えば、「寸法不良が多い→材料を見直す→表面に傷がある可能性があるため検査する」ではなく、正しくは「寸法不良が多い→材料→ロットによる差」というように考える必要があります。

良い特性要因図を作るコツ
問題を具体的にする
「不良が多い」という漠然としたテーマよりも、
- 寸法のばらつきが大きい
- 機械Aで寸法不良が多発している
など、できるだけ具体的に設定した方が原因を考えやすくなります。
仮説であることを意識する
特性要因図に書かれた要因は、あくまで現時点で考えられる仮説です。
図を作っただけで原因が確定するわけではありません。
実際には、
- データの収集
- 現場確認
- 実験や検証
によって、本当に影響している要因かを確認する必要があります。
作成後も見直しを行う
解析や改善活動が進むと、
- 影響が大きい要因
- 影響が小さい要因
が明らかになります。
その結果を反映しながら、特性要因図を更新していくことで、より有効な改善ツールになります。
まとめ
特性要因図は、問題と原因の関係を整理するためのQC七つ道具の一つです。
作成する際は、
- 品質特性を決める
- 背骨を書く
- 大きな要因を挙げる
- 原因を細かく展開する
という流れで進めます。
また、特性要因図は原因を確定するためのものではなく、原因候補を整理するためのツールです。作成後はデータや実験による検証を行い、真の原因を見つけることが重要です。
なお、新QC七つ道具である系統図も「なぜなぜ分析」をしている点について、特性要因図と本質的には同じです。使いやすい方を使ってみるとよいでしょう。


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