はじめに
QC検定3級では、「工程能力指数」に関する問題が頻繁に出題されます。
工程能力指数は、一見すると難しそうな計算問題に見えますが、意味を理解すれば得点源にできる分野です。
この記事では、
- 工程能力とは何か
- CpとCpkの違い
- 計算方法
- QC検定でよく出るポイント
をわかりやすく解説します。
工程能力とは?
工程能力とは、
「その工程が規格を満たす製品をどの程度安定して作れるか」
を表す指標です。
例えば、ある部品の直径の規格が
- 下限規格(LSL):9.5 mm
- 上限規格(USL):10.5 mm
だったとします。
製造した製品のばらつきが小さければ、多くの製品が規格内に入ります。
一方、ばらつきが大きいと規格外品が増えてしまいます。
この「工程の優秀さ」を数値で表したものが工程能力指数です。
工程能力指数Cp
定義
Cpは、
工程のばらつきが規格幅に対してどの程度小さいか
を表します。
計算式は
です。
記号の意味
- USL:上限規格
- LSL:下限規格
- σ:標準偏差
6σはデータのばらつきの幅を表しています。
Cpの考え方
例えば、
- 規格幅:12 mm
- 6σ:6 mm
なら
Cp = 12 ÷ 6 = 2
となります。
これは
規格幅の中に工程のばらつきが十分収まっている
ことを意味します。
反対にCpが小さい場合は、規格外品が発生しやすくなります。
Cpの判定基準
QC検定では次の目安を覚えておくと便利です。
| Cp | 評価 |
|---|---|
| 1.33以上 | 良好 |
| 1.00~1.33 | おおむね良好 |
| 1.00未満 | 改善が必要 |
一般的には
Cp ≥ 1.33
が望ましいとされています。
Cpの問題点
Cpには欠点があります。
それは、
平均値の位置を考慮していない
ことです。
例えば、
- 規格幅の中央に平均がある場合
- 規格の上限近くに平均がある場合
でも、標準偏差が同じならCpは同じになります。
しかし実際には、平均が規格端に寄っている方が不良品は発生しやすくなります。
そこで使われるのがCpkです。
工程能力指数Cpk
定義
Cpkは、
工程のばらつきと平均値のずれを同時に評価する指標
です。
計算式は
となります。
Cpkの考え方
平均値が規格中央にある場合、
CpとCpkはほぼ同じ値になります。
しかし平均値が規格端に近づくと、
- Cpは変化しない
- Cpkは小さくなる
という特徴があります。
そのため実務では、
CpよりCpkの方が重視されることが多い
です。
QC検定でよく出るポイント
① CpとCpkの大小関係
必ず
となります。
CpkがCpより大きくなることはありません。
② Cp=Cpkとなる条件
工程平均が規格中央にある場合です。
つまり、
工程が偏りなく管理されている状態
です。
③ 工程能力を求める前提
工程能力指数は、
工程が統計的管理状態にある
ことが前提です。
管理図で異常が見つかる状態では、工程能力指数を計算しても意味がありません。
例題
ある製品について、
- USL = 110
- LSL = 90
- 標準偏差 σ = 2
である。
Cpを求めよ。
解答
規格幅は
110 − 90 = 20
6σは
6 × 2 = 12
したがってCp=1220=1.67
よって
Cp = 1.67
となります。
まとめ
工程能力指数は、工程が規格を満たす能力を数値で表す指標です。
- Cp:ばらつきのみ評価
- Cpk:ばらつき+平均のずれを評価
- 一般にCpkが重視される
- Cpkは必ずCp以下
- 工程能力を求める前に管理状態を確認する
QC検定3級では、公式の暗記だけでなく「なぜCpとCpkが違うのか」を理解しておくと応用問題にも対応しやすくなります。